新築建売購入診断の床下で

1つ前の記事同様、床下でのことです。
新築建売住宅の購入診断で床下を確認したところ繋がっていない電線がありました。繋がっていない電線を伝っていくと外壁の防水コンセント裏にたどり着きました。防水コンセントには通電されてなかった訳です。
建売住宅の内覧会では見えてくる表面的な箇所のみの指摘で終わらせてしまうのが一般的ですが、こういう事象を見ると床下や天井裏の確認も必要ですね。

神奈川県中部で新築購入診断

この夏は曇りや雨の日が多い、この新築住宅の検査の日も曇りがちな天候で湿度もそこそこ高かったのではと思う。
床下に入ってまず感じたことは、どこかなんんとなくカビ臭い、床下を点検しているうちに
外部に接しているはずの基礎立ち上がり上部と土台の間に有るねこ土台(基礎パッキン)から、
通常このねこ土台は床下換気を確保するため土台下基礎上に隙間をつくる構造になっているのだが光が見えてこない。

床下を確認後外に回ってみてみたら、その部分の土台水切りが基礎立ち上がり天端のねこ土台の隙間を塞ぐ事になっていた。
建物の南北方向が上部の木造躯体とおよそ15mmから20mm程度基礎とずれている。
検査日に湿度が高かったせいだけでなく、ずれていることにより床下の換気量が不足気味になっていることがなんとなくカビ臭い原因だと思われる。

是正方法としては水切りの出幅を変更するのが望ましいが、
雨水の進入など難しい場合は床下専用の換気扇の設置も検討すべきだと思う。

湘南地区でポイント検査

先日、湘南地区の海岸から比較的近い住宅地にある現場にポイント検査に伺いました。

ポイント検査とは何か、依頼者の方からはよく聞かれる質問ですが、
じつは当会のHPにポイント検査なる検査の説明はないのです。
ポイント検査は当会HPの料金表の「欠陥住宅予防検査」の「その他工法及びオプション」
の事です。ようするに1回ごとにポイント的に伺う検査のことです。

この住宅は在来工法の商品で全国展開するハウスメーカーです。
伺ったのは、上棟後の耐力壁や補強金物を確認するタイミングでした。

いくつかあった指摘の中で代表的な指摘を3つ。

1,HDアンカーボルトの種類が設計内容に達していないものを取り付け。

2,筋交いに抜け節(穴)が有った。(指が入るくらいの穴です)

3,母屋下がり部分の外部面材耐力壁の上端部、横架材への釘打ち未施工

家ゼミについて

家づくり援護会では毎月「家ゼミ」をあなたの家づくり応援ゼミ開催しますという副題で行っています。
ゼミの内容は「家づくりトラブル防止ゼミ」という事で、当会HPでは
「実際に家づくり援護会に寄せられたトラブル事例を紹介しながら家づくりで失敗しないポイントをお伝え致します」
と説明されていてちょっとネガティブでないの?と思われるかもしれませんが、
逆説的ですがそこはいろいろなトラブルの相談を解決してきたイエンゴですので、
トラブルを起さない家づくりをまなぶことでハッピーになれる家づくりをお手伝いしたいと思っています。

家づくり援護会が自ら設計・監理を行う理由

 工務店向け月刊誌(日経ホームビルダー2017/7月号)の記事で今後、新築住宅の施工トラブルが増えると思うか?というアンケートを新築木造住宅の施工もしくは設計に携わる実務者にインターネットで実施したところ、回答のあった方のうち53%の方が増えると答えている。

理由として、「コスト不足もあり人員不足で一人の監督の能力を超えた業務が日常化している」。「監督や職人のスキルの低下が著しい」。「ZEHなどの新しい施策に対応するため新しいものを取り入れているが耐久性などの問題が発生しがちだ」。などの実務者の意見がある。

先日、大手ハウスメーカーが設計・施工した完成済みの住宅の検査に伺った際、軒天の換気口が1/3ほどが外壁に埋まっている現場を見た。
その住宅は長期優良住宅の申請も行っている現場であり、
所定の小屋裏の換気量の確保は長期優良住宅としての必須条件となっている。
この住宅の周囲を確認すると大半の箇所で換気口が外壁にめり込んでいる。

なぜそんな事になるのか。
それは現場を管理していなかった監督が悪いのか、取り付けた職人が悪いのか、
それとも外壁にめり込む事を知っていながら外壁を施工した職人がわるいのか。
建築コストの競争にさらされながらも会社としては利益をあげなければならない、
そうなれば当然職人に支払う手間賃も潤沢というわけにはいかない。
職人はハウスメーカーが自社ブランドを確立するため使用できる部材を決定しそして与えられた物を取り付ける。
監督は多くの現場を掛け持ちして細かなことまで目が行き届かない。
職人は限られた手間賃と工期で工事を行っている。
そして会社が納入してくる物に対して異を唱えたところで自社ブランドにそぐわない物を
おいそれと変更出来ないことは百も承知している。

そんな事態は第三者住宅検査を導入すれば全て解決するのではないかと思われるかもしれない。
小屋裏換気口が外壁にめり込まないようにチェックすることを、
家づくり援護会を含む第三者住宅検査機関が検査項目にしているかと言えばしていないと断言出来る。
(出来た物をだめだと指摘することは出来ますが、工事の後戻りなど現場の負担は大きい)
それではその部分のチェックを第三者検査のオプションで追加すれば良いではないかと思われるかもしれないが、
使用する部材を現場で取り付けた場合、どのような不具合が予想されるのか、
それは設計図面と使用部材をあらかじめチェックしなければわからない。
しかしそれは原則建築確認申請に記載されている設計者(専任の設計者)が決めることであり、
その設計者が決めた内容を後追いするというばかばかしい行為が必要になり現実的ではない。
そもそも、第三者住宅検査は施工者とは違う目で現場を見るという本来現場監理者が行うべき行為が
なされていない現状が有り、その為に必要なわけで、設計まで第三者チェックが必要なのかという事になる。
コスト競争による需要者の方の不安や費用負担が増すばかりという悲惨な状況だ。

住宅は一品生産である。
設計図でその住宅や工法に沿った部材を検討し、現場では施工者と別の目である監理者が現場監理を行う。
それこそが欠陥住宅を予防する最良の方法であるという理由もあり
家づくり援護会自らが設計・監理を行っている。

川崎市建売住宅 調査・診断

建売住宅にお住まいの方からの相談です。

依頼者のSさんが建物の不具合を発見し売主にそのことを伝えると共に、
三者の検査をするように依頼をしたとのことです。


iengoにはFAXで無料相談の依頼がきて、
電話で概要をお聞きし相談をいたしました。

> ◯月◯日にFAXを送信し、◯月◯日(◯)にお電話頂いたSです。
> 先日は、FAXと電話による相談にのって頂きありがとうございます。
> 本日、売主と売主が連れてきた建築士の方による建物の検査がありました。
> 検査自体が部分的なもので、また建築士の方の発言も売主寄りのものばかりで
> 信用する事が出来ません。
> そこで、電話とFAXだけであれだけ的確にアドバイスをいただいたiengo様に
> 現場を見て頂いてiengo様の見解と補修方法のアドバイスを頂きたいと思います。
> 宜しくお願い致します。
> サポート依頼 : 申し込み
>

Sさん宅にお伺いして調査し報告書を提出しました。
結果として、大規模な補修工事が必要となり、Sさんは補修工事中
売主が用意した仮住まいに移られ大規模な補修工事が始まりました。

Sさん宅は3棟の建売住宅のうちの1棟で、他の2件の方たちも「うちは大丈夫か」と心配になり
結局他の2件ともiengoで調査・診断を行い、大規模な補修工事を行いました。

今回のケースでは売主が大規模な補修工事を実施することになりましたが、
そこに至るまでのSさんや他の二家族の心労や費やした時間は大変なものです。
そうならないためにも設計者による現場監理、監理が不十分と思われる場合は
三者検査による検査は必要です。

船橋市S邸 1階床の不具合調査&構造躯体の確認 3)

                      2)からのつづきです。
今回は1階床解体時の既存構造部分の確認です。
確認項目は以下の内容。
1,基礎の配筋(鉄筋探査機を使用しました)
2,既存土台の含水率(含水率計測用器機を使用しました)
3,1,2階内部耐力壁のビス間隔
4,アンカーボルト位置
5,2階床レベル測定(レーザー水平器を使用しました)


基礎配筋の確認

既存土台の含水率確認

1階内部耐力壁のビス確認

2階内部耐力壁のビス確認

既存耐力壁のビス間隔一部不足していました。
その部分は是正をするこのになりました。