船橋市S邸 1階床の不具合調査&構造躯体の確認 2)
床フローリングを撤去しました。 1)からのつづきです。
フローリングに反りがあり膨らんでいることがわかると思います。
原因は主に以下の3項目だと思われます。
1,ステープルの長さが指定の長さより短い、打ち込み圧力が強すぎてさねを貫通していた。
2,さね部分の接着剤が施工されていない。
3,短辺のさね部分にステープルが施工されていない。
床材の施工要領書によるとステープルの長さが38mm以上となっていますが、
現場では32mmが使用されています。
床が膨らんだ原因としてステープルの長さが不足していたためか、ステープルを打ち込む
圧力が強すぎてステープルがフローリングの雌さねを貫通して下地に食い込んでいます。
そのためにフローリングと下地がくっついてない状態でした。
フローリングの短辺のさね部分にステープルが施工されていません。
施工中に床暖房パネルを損傷させてパネルから漏れた温水をフローリングが吸収し
下地と一体となっていないフローリングが膨らんだものと思われます。
船橋市S邸 1階床の不具合調査&構造躯体の確認 3)です。
3)は是正前撤去箇所から確認できる構造関係の確認です。
船橋市S邸 1階床の不具合の調査&構造躯体の確認 1)
2012/10/中旬S邸の建物調査の依頼をしてきたのは、
主に首都圏で大規模から小規模の土地開発と住宅の建設
も行っている業者です。
この業者から当会への依頼内容は概ね、
「当社で施工した住宅の1階床に不具合があり、下地を含めた床をやり替えるため、
その施工の確認をお願いしたい」との内容でした。
当会では、業務を行うにあたり、あらかじめ施主であるSさんにお会いして今までの経緯などをお聞きすること、
また当会が確認する必要があると判断した場合は調査確認を追加することをあらかじめ了承していただき、
調査・確認を行うこととしました。
業者の工程表によると、11月第二週から撤去工事が始まるようになっていたため、
その前にSさんは仮住まいに移る必要があり、引越し前にSさん宅に訪問しました。
今までの経緯は概ね以下のようです。
業者は8月上旬S邸の3ケ月点検時、Sさんより1階リビングのフローリングの床が一部膨れている指摘を受け、
9月になり床の一部を剥がして確認してみようということになったようです。
9月中旬一部床を撤去した箇所を建材メーカーが確認、
10月初旬になっても建材メーカーからの返答がないと、業者から報告を受けた。
その頃に床のフローリングから水が染み出してきた、S邸のリビングは温水床断熱を採用していて、
床暖房の工事業者が確認すると温水パネルから漏水していることがわかる。
・・・・・床下は水たまりになっていたそうです。
Sさんは引き渡し当初より床フローリングの一部膨れを訴えていたようですが、
すぐには対応してもらえず、3ケ月点検時後にようやく一部を撤去し確認することになったが、
今度は床から水が染み出るという新たな不具合が発生し、この業者の全てが信用できなくなったようです。
Sさんより今までの経緯や不安な内容をお聞きし、業者から依頼があった是正工事の確認に加え、
撤去時の確認と1階床撤去時にわかる躯体の確認&土台の含水率の確認を行うことを提案し、実施することとなりました。
船橋市S邸 1階床の不具合調査&構造躯体の確認2)につづきます。
新宿区O邸 欠陥住宅予防検査(在来工法3階建)
雨仕舞検査:検査日:1013/10/05
内部面材耐力壁検査からのつづきです。
今回の検査は雨仕舞です。文字通り雨が守らないように施工されているかの検査ですが、
最上部の屋根の断熱材の施工が気になりました。
写真矢印ヵ所に隙間があります。
現場監督に聞くと、通気のために隙間を開けたとのことですが、
断熱層の欠損です。
この会社の標準図面では断熱材の上(タルキ上部)を通気層としています。
通常の断熱材の仕様と厚さでは標準図通りの納まりで施工すれば問題は無いのだと思いますが、
この建物は、低炭素建物認定を受けた住宅です。
通常と違う仕様の物が使われていたから、現場でこのように判断したようです。
ハウスメーカーはいつも通りの仕様や納まりで進める現場はスムーズに進みますが、
個別対応が苦手です。
新宿区O邸 欠陥住宅予防検査(在来工法3階建)
内部面材耐力壁検査:検査日:1013/09/26
上棟検査からのつづきです。
在来工法の場合、内部面材耐力壁検査はオプション検査となります。
当会の欠陥住宅予防検査で躯体の断熱材を確認するタイミングは、
雨仕舞検査時となっています。
施工のタイミングにより前回の上棟検査時又は
内部面材耐力壁検査時に確認する場合があります。
O邸は低炭素建物認定を受けた住宅です。
2階床(外気に接する床)に施工されている断熱材が図面と違うものを使用していました。
図面ではフェノールフォームとなっていますが、現場はグラスウールを使用しています。
低炭素住宅や長期優良住宅は図面と書類審査はあるものの、現場検査はありません。
現場で設計とは誤った物を使用したり、設計通りでないケースも見受けられます。
次回、雨仕舞検査につづく。